Oikawa Fly Fishing

小さくて美しい、偉大な魚をドライフライで狙います。 たまにTop water bass fishingも。

雑記 9【雨男】

私の主観です。

【雨男】

僕は雨男だ。

記憶にある様々な人生の節目で雨が降っていたし、これからも降るのだろう。

過去においては、会社から10年勤続の際に1週間の連続した長期休暇をいただいた事があったのだが、初日から最終日まで雨が降っていた。梅雨時期でもなく自分で選んだ期間だったので雨男に相応しい結果だと今でも思う。

休暇後に会社の上司は気の毒だったねと慰めてくれたのだが、僕としては日本屈指のバスフィールドで3日間のトップウォーターゲームを満喫した後だった。

どの日も薄暗く、真昼間からバスの反応が良くて様々なトップウォータープラグで終日楽しめた。そんな日が3日も続いたのだから気の毒は当てはまらない。

ただ上司に対しては僕が休暇を満喫した事は、その理由を説明するのが面倒くさかったので伏せておいた。

「雨男ですから」とだけ。

そう。

思い返すと中学生の頃、トップウォーターでバスが釣れない理由を自分の技術以外に求めていて、その答えとして出てきた要因のひとつに照度があった。簡単に言うと晴天時や時間帯などによって空が明るいと釣れないという事。逆に朝や夕方に魚が釣れるとは良く聞く話。何故、釣れるのかは魚に聞かないと分からないけど結果として出ている。僕もそういう経験がある。で、ひとつの答えとして出てきたのがこの空の明るさであった。

そんな事を考えていた中学生の僕は「朝から夜まで、曇りか小雨なら良いのに」と自分都合で祈っていた。

休日に雨を望んでいたのだから周りの友達とは違い、変わり者である。しかも、かなり本気で雨を望んでいてテルテル坊主の逆立ち版も何度か作った。

寝る前にも「アメフレアメフレアメフレ…」。

こういった気持ちは釣りの友達なら分かってくれると思っていたが、彼等は休日の釣りは晴天であって欲しいようで僕はいつも雨の池でひとりだった。

だけど悲しくはない。魚は釣れたのだから。

もちろん大雨の場合は自宅で悶々と過ごしていた。釣りを一人で強行して何かあっては周りの人に迷惑をかけるし、場合によってはいつものフィールドが釣り禁止になってしまう。

そんな中学生の祈りか呪いが誰かに伝わったのか、その頃から雨男である。

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十字路で誰かと何かを契約した記憶は無いが、釣行前夜に雨を求めた事は事実だ。

代償も大きい。

先のような長期休暇や学校行事、業務上のイベント等では豪雨や台風などで散々な目にあった。段取り替えや日程の振替えなんかで余計な労力を削がれた。

では、魚が釣れたかというとそれなりに釣れた。そして釣行日の天候は相変わらず曇りや雨が多い。まだ誰かとの契約は履行されていると言う事かもしれない。

雨も悪くない。

新緑を力強く後押しする。

そして街の埃を洗い流し、色彩鮮やかに見せてくれる。…魚も釣れる。

雨も悪くない。

魚は釣れるが、トップウォーターはそう甘く無い。釣れ過ぎて誰かに毒殺されるような事にはならないだろう。