【オイカワ フライ タイイングの迷走】
【オイカワ フライ タイイングの迷走】
僕が初めてタイイングしたフライはTMC900 #18のフックに巻いたパラシュートタイプでした。テールが有りボディはダビング材で作成してました。ポストはエアロ ドライ ウイング(以下ADW)のピンクでハックルはコックネックのホワイト。
それから2年後、僕のスタイルはカーブフック(カーブドシャンク)のクイルボディパラシュートが一番手となりました。
思い返すとタイイングを始めたばかりの頃は初心者ならでは?の様々な壁にぶつかりました。ま、今でも初心者ですけど。
実際にタイイングしながら回想してみます。
フックはマルトc46FWを使います。(これは回想しません!)
がまかつのC12の方が好みなんですけどコスパ重視です。大きさを比較してみます。
左側 マルトc46FW #16、#18、#20。
右側 がまかつC12 #18。
マルトの#16に対して、がまかつの#18が同じくらいの大きさですね。
では、タイイングを始めます。
マルトのc46FW #16を使用します。
バーブをペンチで潰します。後でも出来ます。
まず最初の難関はADWをフックに留める事でした。
これが上手く出来なかったのです。元々、貧乏性なものですから僕の場合はADW 1/4束を15mm程度で切り出していました。当然、掴み所が少なく何度も持ち直したりするので繊維がバラけてくるのです。
またADWをフックに留める為にスレッドを締めようとすると、ADWがフックから外れて頻繁に落ちました。
何回かやってようやくフックにADWを留める事が出来たら、今度はハックルの巻き止めるポストを作る時にスレッドが上手く回せないのです。巻き付けようとする際にスレッドのテンションが強いとADWが引っ張られてオシギをし、そこからせっかく巻き付けたスレッドが全て解けるのです。逆にスレッドのテンションが弱いとADWに巻きつける前にスレッドがクルクルと撚れてしまいます。ハマるとなかなか抜け出せないのです。
その後、いくつかフライを完成させる中で多少のコツを得ました。
ADWでポストを作る作業は、ある程度の長さで切り出さないと後の作業がしんどくなる事が分かりました。僕の場合は25mm程度あれば大丈夫。ケチらずに1/4束を長めに切り出すようにしてから次工程がスムーズにいくようになりました。
またADWをフックに止める時はスレッドを緩く2〜3回転巻き付けてから、ADWの取付位置を調整して締め付けるようにしました。
(しっかりと求める位置で留める事が出来ました)
ポストを立てる時もADWの切り出しが短いとスレッドが解ける原因になりますので、やはり長さには気を付けるようになりました。ある程度の長さがあれば左手でADWをつまんで上方向に引っ張り、右手でテンションを強く保ちながらスレッドを巻けます。
これでADWの適正な切り出しの長さとフックへの留め方、ポストの作り方はある程度出来るようになりました。
(ポスト部もしっかり巻けました。)
次に上手くいかなかったのがボディの作成でした。スレッドにダビング材を縒り付けた後ボディに巻くのですが、その際ダビング材がスレッドから離れてしまい狙ったようにボディの成形が出来ませんでした。これはダビング材を少量にして丁寧な作業を心掛けて解決しましたが、別の問題に気付きました。
ダビング材を使用したフライはフィールドでの使用時にスレッドボディのフライに比べて比較的沈みやすいのです。これは僕には好ましくないので、ダビング材を使用したフライは以後、あまり巻いてません。
スレッドのみのボディでもオイカワは釣れます。だけどフライとしての魅力に欠けるのでボディは作りたいのです。水を内包して浮力の維持に課題のあるダビング材の代わりに、ピーコックハールを巻いてみました。初めてピーコックハールを使用した時は素晴らしいフライが完成したと非常に嬉しかった事を覚えています。
(虫っぽいボディですね。)
でも、ピーコックハールのフライは一度使用して水に浸かると酷い姿になる事と、連続して魚を釣るスタイルでは壊れやすいのが弱点でしたのでこれも最近はほとんど巻いてません。
で、ピーコックハールの次にグースバイオットを使用してみる事にしました。
(グースバイオット)
やられました。ピーコックハールの時以上の感動でした。出来上がりが格好良いのです。なんとも生き物っぽい体節が表現できるし、巻き方向を変えると艶めかしいボディを作る事が出来るのですから。
(グースバイオット、お尻側先端が膨らんでしまいましたが、このまま進めます。)
僕はオイカワ用の小さいフライを作るだけなので、
グースバイオット程度の長さで充分事足ります。でもグースバイオットよりも長いターキーバイオットも気になって仕方ないのでいくつか購入しました。
結果としてこれらのマテリアル、グースとターキーバイオットは僕の釣りに合っていました。
見た目の格好良さ、実際の釣りでの浮力維持、連続してオイカワを釣る際の耐久性は、他のマテリアルと比較してもポイントが高いのです。
後はハックルを巻き留めて完成ですが、これもコツが必要です。
ファイバーの長さはノーマル、ショートサイズ、オーバーサイズを意識してタイイングします。
流れの速い場所ではフライが沈みにくいオーバーサイズを使用。オイカワの反応が良い時はショートサイズで針がかりを重視します。
ハックルを巻く回数(回転数)は4回転で落ち着きました。ハックルはホワイティングのコックサドル、プログレード のハーフサイズだけど#20〜#16にマッチした物をフライショップで幸運にも購入できました。
これを4回転が僕のレシピです。ハックルのオモテ面が上になる様に巻き止めます。
ソラックス(ボディの胸あたり)はスレッドをうっすら巻く程度です。気分でダビング材かピーコック等を使いますが、川の苔や藻類を掴みやすくなるので、雨が少ない時期や気温が高い時期は不利と言えるでしょう。
スレッドをハーフヒッチします。アイの後方部分で留めて瞬間接着剤ごく少量を馴染ませます。
(この後、ADWを好みの長さにカットします。
次にハックルを巻き止めた際に暴れたファイバーを整えて完成です。)
迷走という意味では、タイイングの最初期にADWのみを使用したフライを作成したり、手芸店や100均でマテリアルになりそうな物を色々と購入しては、自分なりにアレンジしたフライを巻いていました。そんな風変わりなフライでもオイカワは釣れました。これはこれで楽しかったんですが、僕にとって行き過ぎたフライが出来上がる事も有り、ほどほどを心掛ける様にしています。心掛けるだけですけど。
A 簡単に巻けて、よく釣れる。
B 簡単に巻けるけど、あまり釣れない。
C 巻くのが難しいけど、よく釣れる。
D 巻くのが難しく、あまり釣れない。
僕は変わり者なので、D も嫌いじゃないのです。
フライタイイングに関しても、まだ勉強する事が沢山あるので愉しみながら前に進んでいきたいと思います。