Oikawa Fly Fishing

小さくて美しい、偉大な魚をドライフライで狙います。 たまにTop water bass fishingも。

雑記 11 【人それぞれ】

私の主観です。

【人それぞれ】

随分と昔の事ですが某有名河川でバスフィッシングをしていた時の話。トップウォータープラッガーの僕は、トップウォータープラッガー見習いの友人に誘われ、嫌々だったが早春のフィールドを訪れていた。

その川で偶然にもバス釣り好きの知人とたまたま遭遇。一時間ほど一緒に釣りをする事に。

彼は最新タックルで最新⁉︎のロジックとテクニックを勉強し実践しているアングラーでした。彼が使用するリールとロッドはシ○ノ製の最高峰。使用するルアーは当時、入手困難であったと彼は言っていたが僕にはよく分からないプラグ。また彼の車はタックルボックスと化していて、ワゴンのハッチを開けると移動販売店舗か!とツッコミたくなる程のリール、ロッド、プラグが満載であった。もちろん車上荒らし対策も万全。車の中のプラグにはパッケージ未開封で同じタイプの色違いなんかもストックされていた。釣り雑誌等で紹介される最新タックルは入手しないと気が済まないと言っていたから、まぁ納得。

彼の釣りを見ていてショックだったのが、そのキャスティング。飛距離が凄まじく、僕(アンバサダー2500c 1991年)の4倍くらいの距離を平気で投げた。護岸された岸際から並んで同時にキャストしたので間違いない。僕のラインの先ではフロッグマンが申し訳なさそうにしていた。

f:id:yukkylucky13:20210905213304j:image(気にするなフロッグマン

なんでも彼のリールには最新のバックラッシュ防止機構があり相当振り回したり、リリースポイントをミスってもトラブルにはならないらしい。また構造的には多数のベアリングを使用、複雑で精巧な作りとなっていて自分で分解すると元に戻せなくなる事もあるらしい。ロッドは最新テクノロジーのグリップがナンタラカンタラ…。「どうです、最新のタックルは最強でしょ」と彼。リールのスペック、開発、製造技術は凄い、彼の技術、努力、所有欲、経済力も凄いが…。

 

ふーん。面白くなさそう。

彼と僕の釣りは異質のモノでF-1マシンとエコノミーカーを比べるならそれぞれの魅力と期待される役割を理解しないといけないと思う。

僕は。

フルキャストを強いられる場合(そもそもフルキャストしない釣りのスタイルだけど)ミスしたら盛大にバックラッシュする方が間違いなく、良い。飛距離が出る事で優位性があるのは分かるけど、何に対しての優位性?僕には不要な優位性。

そしてリールは自分で分解して清掃、注油、組み立てできる方が、良い。自らメンテナンスを行う事でリールの機構を理解し、そのメカニズムを創り上げた技術を想う。そして正しく調整する事で飛距離が伸びるならそれで、良い。何より巻取りのギア比が低いリールはロングキャストばかりしていては手返しが悪い。

彼の「最強でしょ」には同意するけど、愉しみ方は人それぞれ。最強でなくても愉しむ事ができれば良いのです。

 

飛距離より精度。

大漁より一発必中。

静寂が興奮に変わる瞬間が至福のひととき。これが僕のスタイル。

 

最新のモノを最良として欲すると、常に追い続ける事になる。適度なモノを正しく所有すると、信頼と愛着から人生の長い時間を共に過ごす相棒となる。どちらが良いかではありません。

その日、僕と友人、知人でバスを釣ったのは僕だけでした。僕は1人だけ釣れた事には何のプライドも感じません。またトップウォーター愛する人の多くは他人がトップで釣っても喜ぶ人が多い。これは何故?

しかし、この日のフロッグマンは意気揚々。