Oikawa Fly Fishing

小さくて美しい、偉大な魚をドライフライで狙います。 たまにTop water bass fishingも。

memories 6 【ダブル】

私の体験を綴ります。30年以上、もっと前の話。こちらは1999年〜2004年頃に私が運営していましたホームページからの転載です。当時【episode】として掲載してましたが【memories】の方がしっくりくるかと。

【ダブル】

ある夏の終わりに。その日は午後から出掛けた。

マグサーボにバスライズ。そして【ラパラFJ-9】を使ってのトップウォーターゲーム。

 

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自分なりにルールを作っていた。潜らせる深さは5cmが限度。ストップ&ゴーしか使わない。回収は素早く巻き取り、ロッドを大きく立ててプラグにアクションをさせない。そうする事で、「釣れちゃった」を防ぐ。

 

いつものT池。流れ込みのポイントに姿勢を低くして近づく、そっと。

 

トップウォーターゲームはポイント毎に第1投目が肝心であると遅蒔きながらに分かった時期で、それこそ学校などでは滅多に使わない集中力をかき集めキャストした。

 

静まりかえっていて、水の流れる音だけが時間を感じさせる。心地良い。

 

さぁ、キャスト!!

 

狙ったポイントには届かなかった。失敗だ。

気を落として、やる気の無いアクションをプラグに与える。

 

キラッ!

 

プラグが消えて波紋だけが残る。幸運なバイトだった。たまにはこんな事があっても良いか。

思い切り合わせると、結構な重さがロッドから伝わってきた。

しかし暴れない。重たいのだが走らない。

スレ掛かりかも知れないと思い、バスに悪い事をしたなと強めの合わせを後悔した。

 

ところが手元に寄せてビックリした。

 

ダブル。

 

何かの本で見た事のある1つのプラグに2尾の魚が掛かるというやつ。

【ラパラFJ-9】のお腹のフックには40cmくらいのバス。お尻のフックには25cm。

 

餌が乏しくて、奪いあっているのだろうと思ったが、実際はどうなんだろう。

考えても分からないけど、ミノープラグを使ったトップウォーターゲームが幸運を運んできてくれた。

そう思う事が一番良いのだろう。

 

その後、現在までダブルは無い。

 

幸運を使い果したのか?悪い人間になってしまったのか?後者には心当たりがある。

 

今でもラパラを見ると幸運や不運について考えてしまう。

 

 

時が過ぎ、バス釣りで知り合った方にダブルの話をした事がある。

40cm+25cmだから65cmでいいかと聞いたら、「ふざけんな」と返された。

ダメらしい。

©︎ 1999 yukkylucky13